こんにちは、BELLHARPの水琴(みこと)です。
今日は、タロットカードの世界をちょっとだけ旅してみましょう。
今回は『戦車』の世界へご案内します。
戦車と聞くと、どんなイメージを持たれますか?
男性的なイメージだったり、戦いや争いのイメージが強いかもしれません。
タロットを少し知っている人なら勝利のカードと呼ぶ人もいるでしょう。
そんな「戦車」のカードはどんな“戦い”を意味しているのか。
ある小さな女の子のエピソードをご紹介します。
女の子は、注射が大の苦手。
予防接種のたびに泣き叫び、押さえつけられながら受けるような子で、病院の先生たちの間でも、ちょっとした有名人だったそうです。
ところが、ある日女の子が、「血液型の検査をしたい」と言いました。
理由を聞くと、学校で血液型占いが流行っていて、自分の血液型を知らないのが寂しかった、と。
お母さんは最初
「血液型を調べるには注射が必要だから、あなたにはまだ難しいんじゃない?」
とやんわり止めました。
でも女の子は、「それでもやりたい」と言って聞かなかったそうです。
お母さんは
「じゃあ、泣いたり暴れたりしないって約束できるなら、検査してみようか」
と言いました。
当日、病院の待合室では緊張で震えていたけれど、お母さんとの約束を守り無事検査を終えました。
もちろん、怖かったと思います。
それでも自分の「やりたい」という気持ちを貫いたんです。
結果、女の子は血液型を知ることができて、翌日には嬉しそうに友達と占いをしていたそうです。
――このエピソード、私はタロットの「戦車」のカードそのものだな、と思いました。
戦車って、誰かと誰かが戦うという単純なものではなくて、
「まだ手にしていないものを、自分の意志と行動で勝ち取っていく」という意味が含まれています。
実際のタロットカードでは、戦車に乗った人物が、白と黒のスフィンクスや馬を操っています。
これは相反する力を意味していて、それをうまく制御しながら前に進む姿が描かれています。
まだ未熟な状態だけど、それを自分で制御し、前に進む力に変えていくカードなんです。
あの小さな女の子も、「自分だけ血液型を知らない」という欠乏感があました。
スフィンクスは「注射の怖さ」と「それでも知りたいという欲求」です。
それを自分で制御、コントロールして一歩を踏み出した。
女の子にとって大きな「勝利」だったと思うんです。
勝利とは挑まなければ絶対に手に入らないし、勝って当然のものには「勝利」という言葉より、「楽勝」という言葉のほうが合ってませんか?
戦車は、「自分の恐れや迷いを乗り越えて、進む力」を象徴するカードなんです。
だからもし、いまあなたが何かに立ち向かおうとしていたり、「怖いけどやりたい」と思っていることがあるなら、その気持ちを抱えて進むあなた自身が、すでに“戦車”なのかもしれません。
今日は、そんなタロットカード「戦車」のお話でした。
では、また次のエピソードでお会いしましょう。
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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